蒼井 悠人

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「すべての藝術に」

虛僞きよぎも時には充實じうじつしてゐるやうな顏してゐることがある。しかしそれは張子はりこである。時と事實じじつへば本音を出さないではゐられない。本物と噓物うそものとの區別くべつのつかない人はその人が噓物だからである。”

(『文學に志す人に』「すべての藝術に」武者小路實篤)

藝術家のみならず、政治家・學者・メディアにも噓物が本當に多い氣がする。

藝術と醜術を混同してゐる謂はゆるアーティスト。

治國を算數か何かと勘違ひしてゐる政治屋。

空理空論をふりかざしては厚顏無恥をさらす學者やジャーナリストたち。

 

國民を愚弄するにも程がある。

いつまでもその鍍金が剝がれないと憶つてゐるのなら大閒違ひだ。

 

本物はいつでもほんの一握り。

日々嘆息しては呆れるばかりである。

虛

「文學に志す人」

“自分は自分の顏で生きることに滿足することが必要である。決して自分以外の人間になる必要はないのだ。そして修業してゆけば、その修業が本氣で何年もつゞけば、その人はいつのまにかものになるものだと自分は信じてゐる。

自分を變化させることに熱心で、自分を築き上げることに不熱心なものは、遂に元も子も失なふことがある。注意すべきである。(昭和十七年八月三日)

『文學に志す人に』武者小路實篤

自分を見失はないこと。

一日一日微を積み、學ぶことをやめないこと。

どの道をえらんでも同じこと。

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