「すべての藝術に」
“虛僞も時には充實してゐるやうな顏してゐることがある。しかしそれは張子である。時と事實に逢へば本音を出さないではゐられない。本物と噓物との區別のつかない人はその人が噓物だからである。”
(『文學に志す人に』「すべての藝術に」武者小路實篤)
藝術家のみならず、政治家・學者・メディアにも噓物が本當に多い氣がする。
藝術と醜術を混同してゐる謂はゆるアーティスト。
治國を算數か何かと勘違ひしてゐる政治屋。
空理空論をふりかざしては厚顏無恥をさらす學者やジャーナリストたち。
國民を愚弄するにも程がある。
いつまでもその鍍金が剝がれないと憶つてゐるのなら大閒違ひだ。
本物はいつでもほんの一握り。
日々嘆息しては呆れるばかりである。