蒼井 悠人

aoiharuto

第28話:『日本美術論』(金原省吾)を讀む(7)

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『日本美術論』(金原省吾)の「第七章 表現の老境性」を朗讀してゐます。

“現はれてゐる小なるものの中に、その小を拡大し、その小と交替して来る様様の性質をふくむ表現が日本の表現の姿である。盆栽の小樹が大樹として、はては森林風景として拡大して行く力は、このまま日本のすべての表現に共通する性質である。表現形を具體的に小にし、是と交替するものを反對定立的に大にする処に、表現の姿が成り立つ。この事は日本の文學に於いても、漸次に表現形を小さくして行く經過に見ることが出来る。日本の美學が、その基礎をこの老境と具體的小の問題に置いてゐることは注意すべきである。”

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金原省吾(1888〜1958)
『日本美術論』(金原省吾)

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