鎌倉
「鎌倉大佛殿高德院」
十日にのこつてゐた最後の靑春十八切符をつかつて鎌倉に行つてきました、二度目の訪問です。
今囘は小林秀雄さん所緣の地を訪ねることが主な目的でした。
先づ鶴岡八幡宮に參詣してから、雪ノ下の所緣の地を廻りました。プライバシーに關する爲詳細は省きますが、直に訪ねてみて、あゝ此處で思索、執筆をされてゐたんだなあ、と想ふと胸に來るものがありました。無論景色が當時とは變つてゐることはわかつてゐますが、それでもその地に接することが僕にとつては貴重な體驗でした。
その後大佛樣もまだ拜してゐなかつたので、バスに乘つて高德院へ。靑天の下、とても身近に尊像を拜することができ、爽やかな氣分になれました。奈良と同じやうに鎌倉の空もひろく、步いてゐて心地よいです。但し、昨日は猛烈な暑熱を感じながらの鎌倉廻りでしたが(笑)
「鎌倉文學館」
次に訪れたのは鎌倉文學館で、小林さんやその外の鎌倉文士の直筆原稿、寫眞などを見ることができ、とてもよかつたです。
建物は舊前田侯爵家の別邸といふことで、庭園とゝもにおちついた佇まひで、鎌倉廻りの途中で、ちよつと一息つくのに最適ですね。
文學館を出てから、小林さんのお墓參りをしたいと念つてゐたので、北鎌倉驛から步いてすぐの場處に在る東慶寺へ往きました。殘念ながら、前日の臺風に因つて墓域が整理中となつてをり、墓前に至ることはできませんでした。仕方がないので入り口にてお祈りをさせていたゞき、辞去することに致しました。僕の外にも、どなたにむかつてゞせうか、女の人がひとり心をこめて祈つてをられましたね。
「円覺寺」
最後に驛をはさんで反對側にある名刹円覺寺へ參詣して歸途につきました。清澄な氣を受けて、心がしづまりました。また紅葉の時期に訪れてみたいとおもひましたね。