『アメリカの外交政策』(チャールズ・A・ビアード)出版
先日、アマゾンと楽天で『アメリカの外交政策』(チャールズ・A・ビアード著/早川二郎訳/蒼井悠人編)を出版しました。アマゾンで初のオンデマンドペーパーバック出版となります。AdobeのIndesign(CS6)ではじめて組版をしましたが、概ね満足のいくものができうれしくおもつてゐます。
今囘は四六版で組んでみました。フォントは「暫定正字明朝」と「馬酔木明朝」の合字(漢字は暫定、仮名は馬酔木)で美しく組むことができ、また必要に応じて附したルビも思ひ通りにできてよかつたです。印刷が想像してゐたよりも精細でちよつとした感動がありました。このレヴェルなら旧字旧仮名で思ひ通りに本を書いてゆけるな、と安堵してゐるところです。
さて、『アメリカの外交政策』についてゞすが、著者のチャールズ・ビアード博士は後藤新平の招聘により1922年(大正12年)に来日されたアメリカの歴史学者です。翌年再来日し東京市市政顧問として雇はれ、同年発生した関東大震災での復興に携はるなど、東京の街の再建に貢献された方で、多くの著書の中に『東京市政論』もあります。
原著は1940年に出版、原訳書は1941年真珠湾攻撃直後に出版されましたが、訳序から当時の緊迫した国際情勢が感ぜられます。今日この書を読むことは、現在謂ふところの「グローバリズム」の淵源を知るためにとても有益である、と思はれます。ぜひ一読されることをお薦めします。
アマゾンではKindle版で、楽天ではKobo版でそれぞれ電子書籍としても購入できます。できればペーパーバック版で読んでもらひたいですが、それぞれの好みで購読して頂けたらうれしいです。以下にリンクを貼つておきますので、よろしくお願ひ致します。
『アメリカの外交政策』(チャールズ・A・ビアード著/早川二郎訳/蒼井悠人編)
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“簡單なる言葉をもつてしては、到底この方式の外交政策の本質を十分に表徵する事は出來ない。之を創始した指導者たちは、決して孤立主義者ではなかつた。彼等は、西半球に持ち込まれぬ歐洲戰爭に關しては不干涉主義者であつたのであり、亦西半球をも含む世界各國に起る純然たる國內的抗爭に關しても、不干涉主義者であつたのである。その愛情、抱負、希望等の核心からいふならば、彼等は大陸主義者であつて、ヨーロッパ人でも國際主義者でもなかつたのである。ジェファソンが彼等の見解を述べてゐるやうに、ヨーロッパが生命財產の破壞を事としてゐるとき、アメリカは西半球に於ける建設、文明の建設に全力を集中すべきであつた。それ故、斯くして樹立され遂行された政策が、遙か後代に至つて、不合理にも過つて「孤立主義」といふ間違つた呼方をされた事は不幸であり、史實に反する事であつた。彼等の主義を一語をもつて呼ばうとするならば、「大陸主義」と呼ぶのが至當であらう。それが卽ち彼等の政策の實質であつた。その政策の遂行に當つて遵守された外交手續も、その實質に劣らず重要且つ有益であつた。最善の主義も、その代表者の言動によつて傷つけられ、或ひは威嚴と力とをもつて說明される事によつて强化せられ、感銘を與へるものである。大陸アメリカ主義の創始者たちは、外交のこの方面に對して多大の注意を拂つた。”(「第二章 大陸アメリカ主義」より)