三朝滯在記 六 「三朝の風景」
「三德川」
今囘は滯在してゐた處について書きたいと思ひます。
僕がゐたところは「三朝」といつても温泉場の中心地ではなく、「三朝町役場」邊りであり、いはゞ三朝の入口にあたるところです。
この度の滯在ではこの邊りの主要觀光地である「三德山」には結局行くことはありませんでした。真夏で每日とても暑く、とても登る氣にはなれなかつたので(笑)
さういふ特別な處には行かなかつたけれども、自分のゐた近邊を步くだけで十二分に此處の地氣を感じることができたと懷ひます。
さて、三朝には三德川が流れてゐますが、「三朝ロイヤルホテル」の方から東にローソンに向かつてその川沿ひを步いてゆくと、此のこんもりとした杜のやうな處が右手に在ります。此處は何か犯すべからざる神聖な存在感が有りました。
露出がアンダー氣味で申し譯ないですが...左手にみえる青い看板のところがローソンですね。かういふところにコンビニがあるのは實に有難いです。
黑い點は飛ぶ鳥です。
この地は四方を山に圍まれてをり、瞻上げれば空と雲が、見渡せば山と川が目をたのしませてくれます。
「三朝球場」
南に野球場があります。景色にアクセントをつけてくれてゐます。
三朝はめづらしい鳥が多いさうです。愛好家がよく寫眞撮影に來られるとのこと。
自然に抱かれたこの地でゆつたりと飛びまはる姿を視てゐると、萬葉の古に還る、そんな心持ちになります。水もきれいです。
三德川が竹田川と合流して「㆝神川」となり、北へ向きをかへて日本海へと流れゆきます。
「三朝ロイヤルホテル邊りから北を望む」
“天飛ぶ 鳥も使そ 鶴が音の 聞こえむ時は 我が名問はさね”(『古事記』)
誰の遣りし使か、天翔る鳥を瞻るたび、さう想はずにはゐられまん。
つゞく